日本透析療法学会雑誌
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Ciprofloxacin (CPFX) 経口投与によるCAPD腹膜炎治療の試み
丹波 嘉一郎伊良部 徳次村上 信乃
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1991 年 24 巻 3 号 p. 333-336

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抄録
CAPD腹膜炎患者5名にciprofloxacin (CPFX) の経口投与を行い, 薬物動態と有効性を検討した. CAPD腹膜炎発症後, 入院の上CPFXを初回800mgに続き, 600mg/日内服させ, 血中および排液中の濃度を1週間測定した. 制酸剤を併用し, 服薬期間が1週間と短かった1例は休薬後3日で再発した. 他の4例は2週間内服し, いずれも治癒した. 起因菌は1例を除いて同定され, どの例においても排液中のCPFXの濃度はMICを上回っていた. 制酸剤を併用していた例は他の例に比し, 著しく濃度が低かった. 以上により, 制酸剤を併用しない場合CPFX経口投与はCAPD腹膜炎の治療に有用であると考えられた.
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© 社団法人 日本透析医学会
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