日本透析療法学会雑誌
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CAPD療法中に慢性骨髄性白血病を併発しながら, 5年の長期生存を得た慢性腎不全の1例
三宅 祥三松田 治浜田 恭子浜口 裕之安藤 亮一金光 寛承石田 雄二秋葉 隆丸茂 文昭
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キーワード: 慢性骨髄性白血病, 脾腫
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1991 年 24 巻 4 号 p. 585-588

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抄録
症例: 45歳, 男. 家族歴・既往歴: 特記すべきことなし. 現病歴: 慢性腎不全のため1982年8月血液透析 (HD) 導入. 1983年6月continuous ambulatory peritoneal dialysis (CAPD) へ移行. この時, 慢性骨髄性白血病 (CML) の合併を発見される. 1983年12月からbusulfanの投与を開始. CMLはほぼ無症状に経過し, CAPDも順調に継続できた. 1988年3月CAPD排液が血性となり入院. 6横指の脾腫がみられ, 末梢血に9.5%, 骨髄では32%の芽球の増加を認め, CMLのblastic crisisと診断された. 入院後6MP, 次いでVCRとPSLの併用による化学療法を行ったが, Candida tropicalisによる腹膜炎を併発し, 同年6月死亡した. 以上, 本例はCMLを合併しながら5年の長期生存を示し, CAPDの適応を考える上で極めて示唆に富む.
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© 社団法人 日本透析医学会
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