日本透析医学会雑誌
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わが国の慢性透析療法の現況 (1993年12月31日現在)
日本透析医学会統計調査委員会
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キーワード: 透析, 統計, 死亡率, 多変量解析
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1995 年 28 巻 1 号 p. 1-30

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抄録
1993年末の日本透析医学会の統計調査は2,641施設を対象に実施され, 2,629施設 (99.55%) から解答が回収された. 1993年末のわが国の慢性透析症例数は134,298人であり, 昨年末に比べて10,372人 (8.4%) の増加であった. 1992年末から1993年末までの1年間の粗死亡率は9.4%と前年に次ぐ高い値を示した. 透析導入症例の平均年齢は59.80±14.36歳と一層の高齢化が認められた. また, 透析導入症例の原疾患の割合は慢性糸球体腎炎が41.4%と昨年よりもさらに減少し, 糖尿病腎症は29.9%とさらに増加した. 透析量に関するパラメータの調査では, Kt/Vの平均は1.31±0.30であり, protein catabolic rate (PCR)の平均は1.01±0.22g/kg/dayであり前年とほぼ同じ値であった.
生命予後解析では体重減少率2-6%未満, Kt/V 1.6以上, 1回透析時間は5時間以上, PCRでは非糖尿病症例では1.1-1.3g/kg/day未満, 糖尿病症例で0.9-1.1g/kg/day未満, クレアチニン産生インデックスはできるだけ大きい値が最も死亡頻度が低い群であることが示された.
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