日本透析医学会雑誌
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血液透析患者における甲状腺の超音波所見の検討
三浦 理恵弓田 滋矢萩 恵美本郷 陽子松木 純子佐々木 由里子洞口 浩子鈴木 綾子村山 冨美子関野 宏
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1995 年 28 巻 2 号 p. 159-164

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抄録
医療法人宏人会で血液透析中の慢性腎不全患者631例を対象に高解像度の探触子を用いて甲状腺の超音波検査を施行し, 213例 (33.8%) に嚢胞, 168例 (26.6%) に腫瘍を, さらに石灰化45例 (7.1%), 慢性甲状腺炎15例 (2.4%), 単純性甲状腺腫3例 (0.5%) 等の所見が得られた. 全体の有所見率は53.1%であり, 人間ドック等における健常人の報告 (13.5-22.3%) に比し有意に高率であった. 超音波所見上悪性が否定できず, 穿刺吸引細胞診を施行した77例中6例はclass III 以上の成績であり, うち4例と, 画像上強く悪性が疑われた3例の計7例で甲状腺全摘術が施行された. 組織診断は乳頭癌6例, 濾胞癌1例であった. 甲状腺癌の有病率 (9例, 1.4%) も健常者の報告 (0.04-0.5%) と比べ, 有意に高率であった. 以上の結果より, 血液透析患者では高率に甲状腺の病変が存在すること, さらに無症候性の甲状腺癌も認められたことから, 超音波検査は有用であると考えられた.
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© 社団法人 日本透析医学会
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