抄録
各種液流量の計量およびフィードバック機構を備えた, 持続血液濾過透析用ベッドサイド・コンソールの精度テストを行い, 本システムの有用性を臨床の場での使用経験を含めて報告した. 以前我々が使用していたベッドサイド・コンソールは, ローラーポンプの回転数のみによる濾液量制御システムのため, 設定値との間の誤差が大きく, 大量の液置換に伴い, 水・電解質バランスに大きな異常をきたす可能性があり, 厳重な管理を必要とする集中治療の領域においては多くの問題を擁していることが示された.
今回テストを行った新システムにおいては, 同様にローラーポンプを用いた方法ではあるが, 定期的に各ポンプの流量を測定し, ポンプの回転速度の調整を行うフィードバックシステムを備えている. in vitroのテストの結果から, 誤差率0.2%という優秀な結果が得られた. また実際の臨床使用においても, さまざまな外因を是正しながらin vitroテストと同様の誤差率が得られた.
このように優秀な装置である反面, 実際の臨床使用において複雑な制御であるがゆえのいくつかのトラブルも経験し, より一層の改良が期待された.