日本透析医学会雑誌
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通常のCAPD療法では心不全をコントロールしえなかった慢性腎不全の1例
小野 満也池添 正哉山口 博佐藤 博司
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キーワード: 心不全
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1996 年 29 巻 12 号 p. 1539-1542

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抄録
症例は38歳女性. 慢性糸球体腎炎によると考えられる慢性腎不全にて平成1年CAPDに導入した. その後溢水による心不全状態をきたし, 心胸比は60%と心拡大を認めた. 腹膜機能低下はみられなかったが, 心不全が改善しないため平成5年より体外循環による除水 (ECUM) の併用を行った. 同年CAPDカテーテルのトンネル感染が悪化したため, カテーテルを抜去し週3回の血液透析に移行した. その後心不全は軽快し, 心胸比は50%と改善がみられた. 一般にCAPDは心不全患者に対して有用であるが, 心機能が正常で溢水になりやすい患者では血液透析の方が適している場合がある.
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© 社団法人 日本透析医学会
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