日本透析医学会雑誌
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2次性副甲状腺機能亢進症に合併した甲状腺腫瘍10例の検討
堀口 孝泰石川 勲中村 道寛近本 恵美子高田 恵一中沢 哲也石井 博史由利 健久北田 博久友杉 直久池田 龍介田中 達朗鈴木 孝治津川 龍三
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1996 年 29 巻 2 号 p. 103-107

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抄録

1982年から1993年末までに2次性副甲状腺機能亢進症で副甲状腺摘除を受けた30例 (男12例, 女18例) のうち10例 (33.3%) に甲状腺腫瘍の合併を認めた. papillary carcinomaは7例 (23.3%) に, follicular adenomaは4例 (13.3%) に認め, 両者の合併は1例であった. 微小癌は2例であり, リンパ節転移を3例に認めた. T4, 年齢は甲状腺癌群で腫瘍のない群と較べ高値, calcitoninは甲状腺癌群が腺腫合併群と較べて高値であったが, 腫瘍合併の有無と透析歴やPTH, Ca, ALP値との相関はみられなかった. 以上より2次性副甲状腺機能亢進症に高率に甲状腺腫瘍の合併を認め, 術前および手術時の入念な甲状腺の診察ならびに病理組織診断が必要と考えられた.

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