日本透析医学会雑誌
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29 巻 , 2 号
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  • 金澤 良枝, 小出 桂三
    1996 年 29 巻 2 号 p. 81-86
    発行日: 1996/02/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • Takashi Horiuchi, Yasuhiro Sumida
    1996 年 29 巻 2 号 p. 87-96
    発行日: 1996/02/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    腹膜透析において低ナトリウム透析液を用いた際の臨床効果は, ナトリウムの除去を促進し, 結果として水の過剰を緩和できることであるが, そのメカニズムの解析, 総合的な評価は十分とはいえない.
    低ナトリウムという非生理学的な組成を有する透析液を使用した際にどのような溶質移動および水移動が生ずるかを検討するために, 輸送モデルに基づいた計算機シミュレーションを行った. 本研究ではナトリウム, クロール, グルコースの物質移動面積係数として文献値8.3ml/min, 9.4ml/min, 10ml/minを利用し, 透析液のナトリウム濃度を76mEq/lから129mEq/lまで5種類の仮想的な透析液を想定して計算機による透析シミュレーションを行った.
    血清ナトリウム濃度の減少は除水に極めて大きな影響を与え, 血清ナトリウム濃度135mEq/l-145mEq/lの間では血清ナトリウム濃度を1mEq/l低下することで6時間除水量を約22ml増加させることが示された. 一方, 透析液ナトリウム濃度の範囲76mEq/l-129mEq/lでは透析液ナトリウムの1mEq/lの減少当たり, 除水量が約2.3-0.5ml増加することが算出された. 標準透析液 (129mEq/l) ではナトリウム全除去量の20%が拡散移動であったのに対し, 低ナトリウム透析液 (102mEq/l) では41%とその占める割合が増加した. リンパ吸収による透析液から血液への移動は両者において同程度であった. 低ナトリウム透析においては拡散によるナトリウム移動が優位であること, ナトリウムの低移動性が除水を上昇させるのではないことが示された.
  • 海野 鉄男, 草野 英二, 手塚 俊文, 赤井 洋一, 桜井 俊宏, 安藤 康宏, 浅野 泰
    1996 年 29 巻 2 号 p. 97-102
    発行日: 1996/02/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    近年, ANPとその細胞内セカンドメッセンジャーであるcGMPの血中濃度は維持透析患者の体液貯留の指標となることが示唆されている. 我々はこれまで, 超音波断層法により描出した下大静脈安静呼気時最大径 (IVCe) が循環血液量とよく相関することを報告してきた. 我々はまた, IVCeが透析終了後のplasma refillingのよい指標となることも報告している. そこで今回, 維持透析患者におけるplasma refillingの評価に血中ANPとcGMP濃度が有用であるか否かを検討した.
    維持透析患者10例 (男6, 女4, 年齢34-77歳) を対象とした. 透析前後および透析終了時より, 0.5, 1, 2, 6時間後まで経時的にIVCeを測定し, 同時に血中ANP濃度, cGMP濃度, ヘマトクリット (Ht), 総蛋白 (TP), アルブミン (Alb) を測定した.
    平均2.0kgの除水により, 透析終了時には血中ANP濃度, cGMP濃度, IVCeは透析前値と比し平均44, 47, 29%の減少を示した. 一方, Ht, TP, Albは透析終了時は透析前値と比し有意に上昇した. 血中ANPレベルは透析後緩徐な上昇を認めたが, 透析終了6時間後も透析前値と比し有意な低値を示した. 一方, IVCeは透析終了1時間後で速やかに回復した. 血中cGMPレベルはIVCeと同様め経過を示した. また, 透析前後および透析終了後の経過中において血中ANP, cGMP濃度の変化率は, HtおよびIVCeの変化率と各々有意な相関が認められた.
    維持透析患者において, 血中ANP, cGMP濃度はIVCe測定とともにplasma refillingの評価に有用であることが示唆された.
  • 堀口 孝泰, 石川 勲, 中村 道寛, 近本 恵美子, 高田 恵一, 中沢 哲也, 石井 博史, 由利 健久, 北田 博久, 友杉 直久, ...
    1996 年 29 巻 2 号 p. 103-107
    発行日: 1996/02/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    1982年から1993年末までに2次性副甲状腺機能亢進症で副甲状腺摘除を受けた30例 (男12例, 女18例) のうち10例 (33.3%) に甲状腺腫瘍の合併を認めた. papillary carcinomaは7例 (23.3%) に, follicular adenomaは4例 (13.3%) に認め, 両者の合併は1例であった. 微小癌は2例であり, リンパ節転移を3例に認めた. T4, 年齢は甲状腺癌群で腫瘍のない群と較べ高値, calcitoninは甲状腺癌群が腺腫合併群と較べて高値であったが, 腫瘍合併の有無と透析歴やPTH, Ca, ALP値との相関はみられなかった. 以上より2次性副甲状腺機能亢進症に高率に甲状腺腫瘍の合併を認め, 術前および手術時の入念な甲状腺の診察ならびに病理組織診断が必要と考えられた.
  • 石川 勲
    1996 年 29 巻 2 号 p. 109-116
    発行日: 1996/02/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    著者らは先の6回のアンケート調査に引き続き, 1994年2月に過去2年間に診断された透析患者の腎細胞癌 (腎癌) について集計した. 今回は新たに腎癌取扱基準に基づく組織学的細胞型の項目も追加した. アンケートは全国の透析センターを中心に2,421通送付され, 1,449通 (59.9%) の回答が得られた. その結果腎癌は過去一番多い273例報告され, その平均年齢は53.5±11.3歳 (平均±標準偏差), 平均透析期間は118.2±71.0か月であった. 不明2例を除き, 271例中透析歴10年以上のものが138例 (50.9%) を占めていた. また273例中男性は216例, 女性は57例と男性の方が3.8倍多かった. 診断の手がかりはこれまでと同様にスクリーニングによるものが多く (85.7%), 症状出現によるものは26例 (9.5%) にすぎなかった. 多嚢胞化萎縮腎の合併は271例中224例 (82.7%) にみられた. また腎癌の組織診断があるものは210例 (76.9%), 組織学的細胞型がわかっているものは194例であった. この194例中105例 (54.1%) は淡明細胞亜型, 42例 (21.6%) が顆粒細胞亜型, 47例 (24.2%) が混合亜型を示していた. 顆粒細胞亜型と混合亜型は透析5年以上の例に多くみられた. 予後は腎癌死が18例 (6.6%), 転移が269例中35例 (13.0%) に認められた. 淡明細胞亜型と顆粒細胞・混合亜型とで転移の有無をくらべてみたが, 両者に有意差は認められなかった. 以上より1994年の集計では, 腎癌症例が273例報告され, この値は透析患者10万対187例と前回の123例よりもさらに増加していた. 長期透析例の腎癌は細胞型として, 顆粒細胞亜型, 混合亜型が多いことが判明した.
  • 井上 徹, 阪口 勝彦, 山田 祐也, 姚 香景, 須澤 徹之
    1996 年 29 巻 2 号 p. 117-120
    発行日: 1996/02/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    糖尿病性腎症による維持血液透析患者に脾梗塞を惹起した1症例を経験した.
    症例は70歳男性. 1973年糖尿病を指摘され, 90年血液透析導入. 94年12月上旬より左上腹部痛出現し持続するため緊急入院した. 入院時左上腹部に圧痛あり. 腹部CTにて脾に楔状の低吸収域を認め脾動脈の著明な石灰化あり, 脾梗塞と診断した. 腹痛は約1週間持続したがその後軽快した. 本例では動脈硬化のプラーク巣より脾への塞栓が想定された. 動脈硬化の強い透析患者の左上腹部痛では脾梗塞も鑑別診断に入れるべきである.
  • 石川 暢夫, 新村 浩明, 小幡 紀夫, 宮島 静一, 佐藤 啓一, 東間 紘, 太田 和夫
    1996 年 29 巻 2 号 p. 121-127
    発行日: 1996/02/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    心臓カテーテル操作後に腎不全となり, 腎生検および皮膚生検によりコレステロール塞栓症と診断した1例を経験したので報告する. 症例は57歳男性, 不安定狭心症の診断で, 冠動脈造影 (CAG) および経皮経管的冠動脈形成術 (PTCA) 施行後, 非乏尿性の腎機能低下を呈し, 血液透析に導入となった. 透析導入時の腎生検, およびカテーテル操作後に出現した足趾チアノーゼ部の皮膚生検で, ともに血管内腔にコレステロール塞栓が認められた. カテーテル操作とその後の過剰な抗凝固療法が原因と考えられた. その後, 維持透析を行っていたが, 次第に腎機能の改善を認め, 導入後約1年2か月で透析を離脱した. コレステロール塞栓症には特発性および二次性があり, 本症の確定診断には, 生検による組織診断が必要であるが, 急性あるいは慢性腎不全の原因として念頭におくべき病態と考えられる.
  • 長場 泰, 鎌田 貢壽, 小林 豊
    1996 年 29 巻 2 号 p. 129-134
    発行日: 1996/02/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    症例は31歳女性. 18歳時の検診にて初めて蛋白尿を指摘された. 21歳よりネフローゼ症候群を呈し, プレドニゾロン (PSL) を投与されたが蛋白尿は減少せず, 腎機能は徐々に増悪し, 29歳時PSL中止. 1993年4月 (31歳) 妊娠12週と診断され当院初診. 高血圧, 浮腫増悪のため16週で入院. 入院後安静と塩分制限にて臨床症状は改善したが, 17週に末梢血Ht値20.8%となり, rHuEPO 3,000単位/週の皮下注射を開始した. Ht値18.4%にとどまったため, 20週に輸血を施行するとともにrHuEPO 12,000単位/週と増量. 23週にHt値32.0%に上昇, 以後rHuEPO 6,000単位/週を継続した. 28週に血清UN値43mg/dl, 血清Cr値5.9mg/dlと上昇. 児の発育不良, 血圧上昇のために血液透析導入となった. 妊娠30週胎児仮死兆候を認めたため帝王切開術施行, Apgar score 8/9, 1,018gの女児を得た. 出産後1週間で透析を離脱した. 本例は非透析期よりrHuEPO補充療法を開始し, 一時的な透析療法施行により生児を得た本邦初例と思われる.
  • 米田 祐介, 竹中 真樹, 志村 和穂, 吉栖 正己, 八田 告, 佐藤 俊之, 中川 千明, 赤松 尚明, 中垣 嘉信, 高田 治, 槙 ...
    1996 年 29 巻 2 号 p. 135-139
    発行日: 1996/02/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    慢性腎不全にて血液透析中の36歳の男性に合併した間質性肺炎 (BOOP) の1例を報告する. 労作時呼吸困難を主訴とし, 胸部X線写真で右上中肺野および左上肺野に浸潤影を認めた. 胸部CT写真では, 気管支透亮像を伴う濃度上昇域を認めた. 気管支肺胞洗浄液検査では, 総細胞数の増加, リンパ球分画の増加, OKT4+/OKT8+の低下を認めた. BOOPの可能性が高いと考えられた. 抗菌薬に対する反応性は乏しく, 副腎皮質ステロイドが著効した. 抗菌薬の反応が乏しい胸部浸潤影を認める透析患者においては, BOOPの存在も考慮に入れて治療することが必要と考えられた.
  • 大野 敦, 旭 暢照, 佐藤 知也, 植木 彬夫, 横関 一雄, 林 春幸, 入江 康文, 林 徹
    1996 年 29 巻 2 号 p. 141-147
    発行日: 1996/02/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    1日量4-8単位と少量のインスリンにてHbA1cが7-8%程度にコントロールされているが, 透析時に時々血糖が低くなる糖尿病性腎症由来の血液透析患者4名 (平均年齢56.5±2.1歳, 糖尿病推定罹病期間17.5±7.3年, 透析施行期間21.5±6.5か月, 切り替え前のインスリンの平均使用量6.5±1.9単位/日) におけるacarboseへの切り替えの可否について検討した. 各症例においてインスリン中止の翌日よりacarbose 150-300mg/日の投与を開始し, 変更前9か月と変更後12-15か月間のHbA1cとfructosamine (FRA) の推移ならびに副作用としての腹部症状の程度について比較検討した. 症例1は54歳女性. penfill 30R 1日6単位をacarbose 300mg/日に変更したところ, HbA1cとFRAは有意に低下し, 便通も一時改善を認めた. 症例2は59歳男性. monotard 1日8単位をacarbose 300mg/日に変更したところ食欲不振が生じ, 50日でインスリンに戻した. その後食欲は改善したが, HbA1cとFRAはともに悪化を認めたためインスリン量を漸増させて, 結局変更前より増加した (monotard 12単位/日). 症例3は57歳女性. penfill N 1日4単位をacarbose 150mg/日に変更したところ, HbA1cとFRAは変更前と同程度に保たれたが, 元々みられた交替性便通異常は悪化し, 5か月でvogliboseに切り替えた. しかし同剤においても下痢がひどく, 1か月で中止した. 症例4は56歳男性. monotard 1日8単位をacarbose 300mg/日に変更したところ, HbA1cとFRAは変更前と同程度に保たれたが, 一時タール便を認めacarboseの内服を2週間中断した. 再開後も放屁と便秘は持続した.
    以上のことより, インスリンよりacarboseへの切り替え後もHbA1cとFRAは同程度かやや低下を示し, 血糖コントロール状態は比較的良好であるが, 腹部症状が強いため内服を中断ないし中止する症例も認められた.
  • 林 春幸, 吉田 正美, 小林 進, 奥田 邦雄, 横関 一雄, 入江 康文
    1996 年 29 巻 2 号 p. 149-153
    発行日: 1996/02/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    症例は53歳男性. 平成4年7月より痛風腎による腎不全のため, 慢性維持透析を開始した. 平成7年5月13日に突然上腹部痛が出現, GOT/GPT 132/60IU/lと高値で, 超音波検査にて胆嚢内に高吸収の内容物を認めた. 15日総ビリルビン6.6mg/dl, 血清K 7.5mEq/lと高値で, 透析後緊急開腹術を行った. 胆嚢は著明に緊満しており, 摘出後切開すると, 壁の炎症肥厚を認め, 内部は凝血塊で充満しており, 慢性胆嚢炎に伴う胆嚢出血と診断された. 総胆管内にも血腫を認め, これが閉塞性黄疸の原因と考えられた. Tチューブドレナージを留置し, 閉腹した. 術後経過は順調で1か月後, 退院, 現在外来透析に通院中である. 慢性透析患者における胆嚢出血はこれまで1剖検例の報告のみであるが, 早期に適切な治療を行えば予後良好であり, 透析患者の急性腹症の鑑別診断のひとつとして念頭におくべき疾患と考えられた.
  • 野本 保夫, 川口 良人, 酒井 信治, 平野 宏, 久保 仁, 大平 整爾, 栗山 哲, 原 茂子, 窪田 実, 小俣 正子, 中尾 俊之 ...
    1996 年 29 巻 2 号 p. 155-163
    発行日: 1996/02/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    硬化性被嚢性腹膜炎 (sclerosing encapsulating peritonitis, SEP) は瀰漫性に肥厚した腹膜の広範な癒着により, イレウス症状を呈する症候群である. これはあくまでも臨床的診断である. 形態学的には腹膜肥厚および, もしくは硬化性腹膜炎 (peritoneal thickening and/or sclerosing peritonitis) を認める. 本邦では硬化性被包性腹膜炎ともいわれる. 臨床症状としてイレウス症状 (嘔気, 嘔吐, 腹痛) が必発である. その他参考となる症状として, 低栄養, るいそう, 下痢, 便秘, 微熱, 血性排液, 限局もしくは瀰漫性の腹水貯留, 腸管ぜん動音低下がみられる. また, 腹部に塊状物を触知する. 画像診断も補助診断として有用である. 治療の基本方針はCAPDは中止し, 腸管の安静を保つことにある. 栄養補給は経静脈的高カロリー輸液 (IVH) を主体に行う.
  • 1996 年 29 巻 2 号 p. 166
    発行日: 1996年
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
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