1997 年 30 巻 11 号 p. 1303-1307
右内頸静脈に透析用ダブルルーメンカテーテルを留置して血液浄化を行う上での問題点をカテーテル管理も含めて検討した. 対象と方法; 内頸静脈にQuintonダブルルーメンカテーテルを留置して血液浄化を行った39名 (シャント不全7名, 慢性腎不全透析導入25名, 急性腎不全透析導入5名, 肝不全4名) で動脈誤穿刺, 挿入部の疼痛, 挿入部の感染, 腫脹, 出血, 発熱 (除く急性腎不全, 肝不全), 脱血不良, 返血不良, 自然抜去の有無を調べた. 挿入部の消毒とダブルルーメンカテーテルのヘパリンロックは1回/日行った. 結果; 使用ダブルルーメンカテーテルは43本, 留置2-102 (平均20.4) 日で血液浄化を2-45 (平均11.5) 回, 計495回行い脱血不良が2名 (2本) にみられたがその他はみられなかった. 結論; 右内頸静脈への留置は大腿静脈や鎖骨下静脈留置に比しカテーテル管理の手間が少ないにもかかわらず両者への留置で報告されている問題の発生が少なく第一選択となり得る可能性があると思われる.