日本透析医学会雑誌
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激しい両足痛を伴う糖尿病性神経障害に対し腰部持続硬膜外ブロックが著効した1症例
久木山 厚子田上 典郎宮本 哲明松岡 潔有薗 健二早野 恵子福井 博義後藤 倶子
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1997 年 30 巻 11 号 p. 1315-1318

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抄録
最近合併症として糖尿病性末梢神経障害を呈している維持透析患者が多くみられ, その対応に苦慮する場合も多い. 私たちは治療に難渋した糖尿病性神経障害に対し腰部持続硬膜外ブロックを施行し, 著効した症例を経験したので報告する. 症例は55歳女性. 82年糖尿病の治療開始. 91年9月糖尿病性腎症による腎不全のため血液透析導入. 導入時より両足のしびれは持続, 血糖のコントロールも不良であった. 95年1月頃より両足関節より末梢部の疼痛を訴えるようになり痛みは夜間増強した. 種々の薬剤を使用するも症状全く改善せず95年11月腰部持続硬膜外ブロックを施行した. 施行後急速に症状改善し約1週間で痛みは完全に消失し, その後現在まで疼痛は再発していない. 今後症例を増やし検討すべきだが, この症例のように他の治療でも効果がないときはこのような交感神経ブロックも試みられてよい治療法と思われる.
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