日本透析医学会雑誌
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山形県におけるCAPD廃棄物の処理方法とその問題点
今田 恒夫柿崎 弘佐藤 顕庄内CAPDフォーラム
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キーワード: CAPD廃棄物
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1998 年 31 巻 7 号 p. 1079-1082

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抄録

山形県内のCAPD患者114名にCAPD廃棄物の処理方法と問題点についてアンケート調査を行った. CAPDバッグやキット類の処分は全体としては燃えるごみが25%, 燃えないごみが40%, 自宅焼却が25%, 病院で処分が10%であった. この比率は居住地域によって異なり, 自宅焼却は郊外では約40%, 市街地では約10%であった. また燃えるごみ, 燃えないごみの判断も各自治体で異なっていた. ごみ収集所には40%が内容物が見える状態, 60%が見えない状態で出しており, 廃棄する際は透明の袋以外では白いスーパーの袋等で梱包することが多かった. CAPD排液は約70%がトイレ, 約30%が風呂場, 畑等に捨てていた. 廃棄物処分の責任については, 57%が患者自身, 8%が病院, 20%が役所, 5%がメーカーにあるとの回答であった. 過去に未回収の経験は10名 (8.8%) であり, そのうち6名が廃棄方法を変更してCAPDを継続しているが, CAPD廃棄物を回収しない地区が1地区あった. CAPD全体に対する要望としてはCAPD廃棄物の少量化を求める意見が多かった. 今回のアンケート結果から, 各患者によって廃棄方法や自治体の指導が異なるため, 個々の患者の状況にあわせた対策が必要であると考えられた.

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