日本透析医学会雑誌
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新しい透析監視システムの研究 -血液回路内圧とクリットラインモニターを利用して-
長見 英治古川 康隆堀 和芳斎藤 晃山崎 英隆市川 久志青木 康之堀川 哲彦犬丸 達也新井 貴士百瀬 卓志生方 英一守尾 一昭渡部 敏雄桑田 昇治松崎 健三佐野 元昭小出 桂三
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1998 年 31 巻 9 号 p. 1259-1266

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抄録
透析中の除水によって起こる著しい血圧低下を早期発見するための新しい透析監視システムの研究として, 血液回路の動脈および静脈の圧差 (AV圧差) と分光法的非観血的hematocrit (Ht) 測定装置CRIT-LINEモニターでの連続的なHt (CLM-Ht) を測定し, 収縮期血圧 (SBP) との関係を12症例に実施し以下の知見を得た. 1) 年齢別, 原疾患別にかかわらずAV圧差およびCLM-Htの変化率とSBPの間に有意な負の相関関係があった. 2) AV圧差およびCLM-Htの変化率の上昇を+20%未満にとどめることで透析中の著しい血圧低下を防ぐことができた.
以上よりAV圧差およびCLM-Htを連続的に測定することは透析監視システムとして臨床上有用であると考えられた.
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© 社団法人 日本透析医学会
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