日本透析医学会雑誌
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肝腎症候群で血液透析中に膀胱自然破裂をきたし保存的治療にて治癒し得た1例
高山 達也永田 仁夫海野 智之麦谷 荘一山下 冬樹鈴木 和雄藤田 公生
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2000 年 33 巻 2 号 p. 145-148

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抄録

症例は39歳男性. 1996年7月, 肝腎症候群による慢性腎不全のため血液透析導入. 8月29日透析中に突然の右下腹部痛が出現. 排尿後も尿意を訴えるので, 尿道力テーテルを留置した. 1時間で約3000mlの排液があり緊満していた腹部が平坦となった. 膀胱破裂により腹水が排液したと判断された. 全身状態が不良なので, 尿道力テーテル留置で保存的に経過観察し, 入院2か月で破裂部は閉鎖した. 入院3か月後, 腹腔内に小児頭大の仮性被包化膿瘍を認めたが, これも経皮的ドレナージで治癒した.

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