日本透析医学会雑誌
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わが国の慢性透析療法の現況 (2004年12月31日現在)
中井 滋和田 篤志北岡 建樹新里 高弘奈倉 勇爾菊池 健次郎政金 生人篠田 俊雄山崎 親雄坂井 瑠実丸林 誠二守田 治井関 邦敏宇佐美 武木全 直樹鈴木 一之田部井 薫伏見 清秀三和 奈穂子矢内 充若井 建志秋葉 隆
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2006 年 39 巻 1 号 p. 1-22

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抄録

2004年末の統計調査は全国の3,932施設を対象に実施され, 3,882施設 (98.73%) から回答を回収した. 2004年末のわが国の透析人口は248,166人であり, 昨年末に比べて10,456名 (4.4%) の増加であった. 人口百万人あたりの患者数は1,943.5人である. 2003年末から2004年末までの1年間の粗死亡率は9.4%であった. 透析導入症例の平均年齢は65.8歳, 透析人口全体の平均年齢は63.3歳であった. 透析導入症例の原疾患毎の比率では, 糖尿病性腎症が41.3%, 慢性糸球体腎炎は28.1%であった.
血液透析患者の炭酸カルシウム使用率は75.1%, 塩酸セベラマー使用率は26.2%であった. 塩酸セベラマー使用率は炭酸カルシウム投与量と必ずしも強く関係していなかった. 塩酸セベラマー投与量が多い患者では, 動脈血HCO3-濃度は低い傾向が認められた. 血液透析患者の約15%が静注ビタミンD製剤を使用しており, その大半はマキサカルシトールであった. 透析歴が長くなるに従い, 静注ビタミンD製剤の使用頻度は増加していた. 血清インタクトPTH濃度が200pg/mLを超えると, 経口ビタミンD製剤の使用頻度は減少し, 入れ替わるように静注ビタミンD製剤の使用頻度は増加していた.
施設血液透析患者での経皮的副甲状腺エタノール注入法 (PEIT) 実施率は1.4%であり, 透析歴10年以上でPEIT実施率は高い. PEIT実施の既往を持つ患者の「PEIT再実施率」は35.0%であった. 透析歴10年以上でPEIT実施既往を持つ患者のPEIT再実施率は50%以上であった.

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