2006 年 39 巻 1 号 p. 51-55
調査の主旨を説明し, 了承が得られた血液透析患者110名を対象として, セルフケア意識, 飲食行動様式, サポート感, ストレスコーピング, 人生観にかかわる意識を調査した. 各質問項目をカテゴリー別に因子分析した結果, 因子負荷が1つの因子について0.40以上かつ2因子にまたがって0.40以上の負荷を示さない項目を選出し, それらの下位尺度を用いて主成分分析およびクラスター分析を行うことで被験者を治療適応と不適応の観点から「理想主義タイプ」「無頓着タイプ」「見せかけ適応タイプ」「自暴自棄タイプ」の4領域に分類した. このうち「見せかけ適応タイプ」は, 体重管理などの医学的自己管理が良好であるので問題を見落とされがちであるが, 実際には内面的な葛藤や問題行動が多く, 最も援助が必要なタイプであることがわかった.