情報化社会における数学科の教育課程の見直しが議論されている中ではあるが、実生活に近い状況、もしくは実生活に直接関わる状況を数学の教科で十分取り上げられていない現状がある。
そこで本研究では、中学3年生を対象とした選択数学において、タブレット端末(Apple iPad2)の表計算アプリ(Numbers)を活用した授業を開発した。授業は、じゃんけんゲームである「グリコゲーム」を題材とした。グリコゲームは、相手の戦略にかかわらず自分が有利となる「ミニマックス戦略」を考える必要があり、Numbersを用いて実験やシミュレーションを行った。
iPad2を活用することによって、ミニマックス戦略についての試行錯誤が効率的にできたことなどの成果が挙げられた。一方で、Numbersのユーザインターフェース、iPadの台数確保、情報化に伴う新たな授業実践の必要性などが課題として残った。