主催: 日本デジタル教科書学会
後援: 文部科学省, 京都府教育委員会, 京都市教育委員会, 京都大学大学院教育学研究科教育実践コラボレーション・センターE.FORUM
会議名: 2021年度日本デジタル教科書学会年次大会
回次: 10
開催地: 京都/オンライン
開催日: 2021/08/21 - 2021/08/22
情報Iの導入によりプログラミングが必修となった情報の授業では,文部科学省が公開した教員研修用教材でPythonが使用されており,多くの学校で採択される可能性が高い.情報IIにおいてもPythonによる指導例が紹介されている.そこで筆者は2019年度より情報IIを意識したPythonによるプログラミング指導を行ってきた.“Google Colaboratory”(以下Colab)を用いたPythonの導入の6回(以下前半授業)と機械学習を含む3回(以下後半授業)の計9回の授業を行った.Colabを用いることで面倒な環境構築がなくなり,関連するライブラリのインストールも容易であった.ColabによるPythonの指導は,導入なども含めて有用であることが分かった.また,プログラミング授業の最終的なゴールとして機械学習を扱う.具体的には,タイタニックデータを用いた生存者の予測であり,学習モデルには決定木を用いる.しかし,Pythonを用いたテキストプログラミングによる機械学習では分析結果の数値のみがただ出力されることが多く,初学者にとってはプログラム内で何が起きているのか想像しづらい点が問題であった.故に,Pythonの関数の実行が単純作業となってしまい,肝心の機械学習に対する理解が深まりにくいことが問題点であった.そこで,今年度よりインタラクティブなWebアプリケーション教材を導入し,生徒が試行錯誤を繰り返しながら機械学習の仕組みを理解することを目標とした.本報告では,Pythonのフレームワークの1つであるStreamlitを用いて実装したWebアプリケーション教材の機能と操作方法,及び本教材を用いた授業計画についてまとめる.