書体の接触経験は可読性(文の読み進めやすさ)と強く関連し,可読性の高い書体で表された情報は信頼できる内容と判断されることが報告されている。しかし,接触経験と可読性,情報の信頼度の関係は直接的には示されてこなかった。本研究では,実験室内で書体の接触経験を操作し,接触経験操作前後で接触した書体で表された文の可読性や信頼度の評定が向上するかを検討した。その結果,接触経験操作後に接触した書体のみで可読性と信頼度が向上していた。また,接触経験は可読性の向上を介して信頼度を高めることが示された。これらの結果は,書体の接触経験を考慮した上で個人ごとに適切な書体で情報を提供することが重要であることを示唆する。