2011 年 31 巻 2 号 p. 208-210
心房細動(AF)を合併した心不全患者に対する心臓再同期療法(CRT)の有効性は,十分な房室伝導の抑制により改善すると考えられる.したがって,薬物治療あるいはアブレーションによる房室結節の抑制を積極的に行う必要がある.CRTによる心不全の改善は心房に生じたリモデリングを回復させ,AFの発生を抑制する可能性がある.また,自験例を対象とした検討から,AFは拡張型心筋症におけるelectrical storm(ES)発生のリスク因子であり,これに併せて加算平均心電図の陽性所見の有無を確認することで,ESの発生を正確に予測可能であることが示唆された.