心電図
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症例
アゼルニジピンにより潜在性洞結節機能不全が顕在化し,高度徐脈を呈した1例
遠藤 裕久戸叶 隆司清水 孝史和田 英樹土井 信一郎塩澤 知之小西 宏和比企 優華藤 芳輝久保田 直純田村 浩尾藤 史康木津 京子諏訪 哲住吉 正孝中里 祐二代田 浩之
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2013 年 32 巻 5 号 p. 436-441

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抄録

症例は,84歳女性.高血圧症に対して,2011年4月からアゼルニジピン16mg/日の内服が開始された.同年5月14日,めまい・眼前暗黒感が出現し当院受診,心電図上洞停止,心拍数40/分前後の房室接合部調律がみられ,入院となった.ただちにアゼルニジピンを中止,翌日には心拍数75/分の洞調律に回復した.後日施行した電気生理学的検査では,200/分のオーバードライブ洞抑制試験において洞結節回復時間が3,065msecと延長を認めた.また来院時のアゼルニジピン血中濃度は,7.89ng/mlと通常の治療域であった.ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬による症候性徐脈の症例報告は少ない.今回われわれは,潜在性の洞結節機能不全がアゼルニジピンにより顕在化し,著明な症候性徐脈を呈した1例を経験したため,報告する.

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© 2013 一般社団法人日本不整脈心電学会
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