心電図
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第23 回頻拍症カンファランス 心臓突然死予防に関する最新知見
心臓突然死予防に関する最新知見
三田村 秀雄
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2015 年 35 巻 3 号 p. 205-212

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抄録

年間7万人を超える心臓突然死のほとんどは心室細動によって起こるが,その予防が困難である現在,頼れる救命法は除細動器の活用である.ハイリスクであることが固定していれば植込み型除細動器(ICD),その評価が未定な時期には着用型自動除細動器(WCD)が利用できるが,正確なリスク評価は決して容易でない.さらに,突然死最大の原因である急性冠症候群の例をはじめ,多くの症例は直前まで受診していないか,リスクを予知されていないため,現場で迅速な除細動を施すしか救命を保証する術はない.今や,目撃された心原性心停止に対して現場の市民が自動体外式除細動器(AED)を使えば,50%が救命可能な時代に入ったが,今後も不特定多数へのAED対応体制を充実させつつ,特定グループ,さらには個人への集中救命対応の推進が求められ,その成果が期待される.

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© 2015 一般社団法人日本不整脈心電学会
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