心電図
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心電学フロンティア2015(第50回理論心電図研究会) 心房細動はなぜ慢性化するか:そのメカニズムと対策
最近のゲノム研究の立場から
古川 哲史
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2016 年 36 巻 2 号 p. 167-172

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抄録
心房細動(AF)の病態発現には,遺伝的因子が思った以上に強く関与している.最近のゲノム研究,全ゲノム関連解析(genome-wide association study : GWAS),では10を超えるAF感受性1塩基多型(single nucleotide polymorphism : SNP)が同定された.AF発症と強く関連する1つのSNPとAF発症と中等度に関連する複数のSNPsである.AFと強く関連する4q25のSNPは,肺静脈心筋スリーブの発生とかかわることが報告されているPitx2を最近傍遺伝子としてもち,AFのトリガーとの関連が示唆される.一方,AFと中等度に関連する複数のSNPsの一部は心房リモデリング,AFの維持機構との関連が示唆される.そのうち,発作性AFに比べて慢性AFで特に強く関連するSNPsがAFの慢性化に関連することが示唆されるが,これまでの自験例・他験例ではそのようなSNPsは同定されていない.したがって,現時点では,AF発症と関連する遺伝因子は同定されたが,その慢性化に関する遺伝因子は同定されていない.
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© 2016 一般社団法人日本不整脈心電学会
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