心電図
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原著
腕時計型脈波モニタリングデバイスによる心房細動の検出の妥当性に関する研究:ホルター心電計との比較(CVI ARO 3研究)
葉山 恵津子山下 武志大塚 崇之八木 直治有田 拓人矢嶋 純二鈴木 信也
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2020 年 40 巻 4 号 p. 207-216

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抄録

【目的】心房細動(AF)検出における腕時計型脈波モニタリングの妥当性を検証した.【対象と方法】AF患者84例(男性 55例,平均年齢70.1±10.0歳,発作性AF73例)を対象にセイコーエプソン社製腕時計型脈波モニタリングデバイス(試験開発機,以下HC-1と略す)とGEヘルスケア製ホルター心電計SEER-lightを24時間同時装着した.症例ベースと区間ベース(30分区間)でのAF(30分以上持続)検出の一致度,および,AF持続時間の占める割合(AF burden)を両検査法で比較した.【結果】84例中,AFはHC-1では29例で検出された.ホルター心電計(28例で検出)を基準としたHC-1の感度は92.8%,特異度は94.6%であった.3660区間中,AFはHC-1では682区間で検出された.ホルター心電計(724区間で検出)を基準としたHC-1の感度は92.0%,特異度は99.5%であった.AF burdenはスピアマン相関係数 0.799で相関した.【結語】HC-1は,長時間の装着が可能であり,かつ,AF特有の脈の不規則性を持続的に判定できる点で,無症候性AF診断向上に有用なツールとなりうると考えられた.

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© 2008, Japan Science and Technology Agency
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