心電図
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症例
オムニポーラー技術に基づくActivation Vector機能を利用し,リアルタイムに線状焼灼の作成を評価し得た1例
滝川 正晃合屋 雅彦池ノ内 孝清水 悠輝雨宮 未来鎌田 龍明西村 卓郎田尾 進宮﨑 晋介笹野 哲郎
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2023 年 43 巻 1 号 p. 36-43

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抄録

心房細動アブレーションに関連する心房頻拍(AT)は,しばしばマクロリエントリーを機序とし,とりわけ,肺静脈,僧帽弁輪,三尖弁輪を解剖学的障壁として旋回する.それゆえ,解剖学的障壁間の線状焼灼は,これらのATを治療する上で不可欠である.Differential pacingを用いたブロックラインの確認は,心房粗動に対する,三尖弁-下大静脈間峡部の線状焼灼の完成度を評価する方法として報告されたが,他の線状焼灼の完成の有無の確認にも応用される.しかしながら,高解像度のマッピングで,Differential pacingではブロックラインの完成を20~30%で誤診してしまう可能性が報告されている.オムニポーラー技術を用いると,3つの単極電極と直行する2つの双極電極からなるクリックという単位において,360°の心内電位から最適な電位を選択し,Activation Vectorとしてリアルタイムに表示することが可能である.今回本機能を用いて,線状焼灼の完成をリアルタイムに評価するのに成功した1例を経験したので報告する.

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© 2008, Japan Science and Technology Agency
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