2024 年 44 巻 4 号 p. 266-271
カテコラミン誘発多形性心室頻拍(catecholaminergic polymorphic ventricular tachycardia:CPVT)は内服と運動制限などでも,失神や心停止が出現する際に植込み型除細動器(implantable cardioverter defibrillator:ICD)が推奨される.心停止で発症した未診断CPVTに対する二次予防目的でのICDの適応について,統一見解はない.心室細動(ventricular fibrillation:VF)で発症した未診断CPVTのICD適応を判断する目的に,着用型自動除細動器(wearable cardioverter defibrillator:WCD)を導入した1例を経験した.9歳女児.徒競走中にVFとなり,2回の除細動で自己心拍が再開した.当院での気管内挿管の刺激で二方向性心室頻拍,VFが出現した.CPVTと診断し,抗不整脈薬で不整脈は出現せず退院とした.退院後の生活環境や運動の変化などによる不整脈の再燃を懸念し,WCDを導入した.装着期間内に作動はなく,ICDは導入せず内服と運動制限とした.VFの二次予防にICDが推奨されるが,CPVTでは不適切作動の刺激で不整脈を惹起させる可能性があり,適応は限られる.VF発症の未診断CPVTのICD適応を判断するまでの橋渡しとして,WCDは安全に使用可能であった.