2025 年 45 巻 4 号 p. 290-300
【背景】修正大血管転位症(ccTGA)は,心室中隔欠損や肺動脈狭窄などの合併異常がない場合,血行動態は修正され成人期まで無症状に経過するが,その後は刺激伝導系障害を呈し,完全房室ブロックに移行することが多い.ccTGAに対するリードレスペースメーカ植込みは,通常の植込み手技よりも複雑であるが安全に施行可能であり,有効な治療オプションとなり得る.【症例】81歳女性.ccTGA合併異常なく,未手術でフォローされていた.数日前から軽労作時の息切れが出現,心電図上完全房室ブロックを認め,紹介.徐脈による心不全増悪と診断され,入院.解剖学的左室へのリードレスペースメーカ留置に成功,術後パラメータは安定し,良好に経過した.【結論】ccTGAに対するリードレスペースメーカ植込みは安全に施行可能であり,かつ効果的である.術前に画像診断にて解剖学的情報を詳細に把握することが極めて重要である.