心電図
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RR間隔二次元表示法による心室頻拍例の心室性期外収縮出現様式の検討
武田 寛人粟野 直行堀川 章仁後田 真一阿部 之彦菅家 道人渡辺 直彦大和田 憲司刈米 重夫
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1990 年 10 巻 1 号 p. 74-81

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抄録
1日に1, 000発以上の心室性期外収縮 (PVC) を有し, かつ4連発以上の心室頻拍 (VT) を認めたLone VT10例, 器質的心疾患11例について, ホルター心電図におけるPVCの先行洞周期をX軸に連結期をY軸にプロットしたRR間隔二次元表示図を作成し, PVCの出現様式について検討した.Lone VT例におけるPVCの連結期は全例がほぼ一定で安定していた.器質的心疾患例では, PVCの連結期が不安定なものが多く認められた.また, 全PVCの解析で連結期が不安定に見えても波形の類型別解析を行なうと連結期の安定した異なる種類の波形群の集合である例も認められた.またretrospectiveに検討しえた突然死6例については全て連結期が不安定なPVCを有していた.以上より心室頻拍例では連結期の不安定なPVCが存在すると, より重症の不整脈の出現が予想され, またその解析に当たっては波形の類型別の詳細な検討が必要と考えられた.
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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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