抄録
労作狭心症例34例についてトレッドミル負荷前後で体表面電位図を記録した.J点よりT波の終了点までの前3/8をST部, 後5/8をT部とし, STおよびTisointegral mapを作成し, area-ST, area-Tの変化と運動負荷心筋シンチグラム上の心筋虚血領域との関連について検討した.Tisointegral map上, 運動負荷により左前胸部でarea-Tの増加を示す「増加型」8例中5例に前壁中隔虚血を認め, 左前胸部上方でarea-Tの減少を示す「減少/上型」19例中15例に後下壁虚血を認めた.area-ST減少領域よりarea-T減少領域が上方に偏位していた17例中13例に後下壁虚血を認めた.運動負荷による左前胸部でのarea-Tの増加は前壁中隔虚血を表し, 左前胸部上方でのarea-Tの減少は, 後下壁虚血に伴う体幹下部でのarea-T増加の対側性変化と考えられた.判別関数を用いて体表面電位図所見より判別式を作成することにより, 心筋虚血領域が良好に推測できた.