心電図
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特別発言: 2. 心房頻拍の臨床および電気生理学的検討
相原 直彦大江 透松久茂 久雄鎌倉 史郎佐藤 磐男栗田 隆志下村 克朗
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1990 年 10 巻 3 号 p. 319-328

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抄録

心房頻拍 (AT) 25例を, 発作時心電図上の特徴より, 慢性持続型のP群, 発作性持続型のS群, 反復型のR群の3群に分けて, その臨床および電気生理学的特徴を検討した.ATは, P群4例, S群7例, R群14例に分けられた.電気刺激によりS群では全例に, R群では13例中3例にATが誘発された.イソプロテレノール投与では, P群全例に, R群では11例中8例にATの誘発もしくは増悪を認めた.AT中の頻回刺激では, P群では3例中3例にoverdrive suppressionを, R群では5例中4例にdelayed terminationを認めた.頻拍停止には, P群では全例に交感神経遮断剤が, S群では約7割にクラスIaの薬剤が, R群では各群の薬剤が同様に3~4割の有効率を示した.ATはタイプにより, 症状, 有効薬剤や発生機序が異なるものと思われる.

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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