心電図
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自律神経反射試験, 運動負荷試験およびホルター心電図による心室性期外収縮の検討
高瀬 凡平栗田 明丸山 寿晴菅原 博子岡本 安裕上畑 昭美西岡 利彦里村 公生水野 杏一中村 治雄
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1990 年 10 巻 4 号 p. 407-416

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抄録

心室性期外収縮 (PVC) 症例における自律神経活動を検討するために, 器質的心疾患を有さないPVC症例16例に自律神経反射試験, 運動負荷試験およびホルター心電図 (Holter ECG) を同時に施行し, 自律神経反射試験によりPVCの誘発が認められるgroup A 8症例と, 誘発が認められないgroup B 8症例に分けて検討した.
その結果, 運動負荷試験によりPVCの誘発される症例は, group Aで8例中5例 (62%) に対してgroup Bでは8例中1例 (13%) であり, その頻度はgroup Aで有意に高かった.運動負荷中のpressure ratep roductもgroup Aに有意の高値が認められた.またHolter ECGにおけるPVCの重症度や, その発現様式には両群間で差は認められなかったが, 日常生活における心拍数の変動はgroup Aに大である傾向が認められた.
Group Aの症例は, 主に交感神経活動が亢進した状態にあることが考えられ, 同じ器質的心疾患を有さないPVC症例においても, 自律神経反射試験によりPVCの誘発される症例は, そうでない症例に比べ臨床的に異なった意義を有することが示唆された.

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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