心電図
Online ISSN : 1884-2437
Print ISSN : 0285-1660
ISSN-L : 0285-1660
致死性不整脈の自動検知ならびに心収縮力の評価における心内心臓運動図の有用性について
―雑種成犬を用いた実験的評価―
藤巻 信也小森 貞嘉渡辺 雄一郎吉崎 哲世田村 康二斉藤 義明
著者情報
ジャーナル フリー

1990 年 10 巻 4 号 p. 477-484

詳細
抄録

我々は, 心腔内に挿入した刺激電極を使って検出した心内心臓運動図 (以下, 心内CMGと略す) を用いることにより, 致死性不整脈の自動検知と心収縮力の評価を行ってきた.今回雑種成犬を用いて不整脈の自動検知と心収縮力の評価という点での心内CMGの有用性を検討した.
結果: (1) 1回心拍出量の変化と心内CMGの振幅の変化の間には極めて良い正の相関が認められた. (2) ; a) 上室性頻拍の場合, 血圧および心内CMGのパターン・振幅とも変化はなかった.b) 心室頻拍の場合, 血圧の低下に伴い, 心内CMGの振幅は著明に減少し, 血圧と心内CMGの振幅の間には正の相関が認められた.c) 心室細動の場合, 心内CMGの振幅は著明に減少し規則性が失われ, 心電図との1対1の対応性が失われた.心内CMGを植え込み除細動器に併用することにより, 誤作動を防ぐ可能性が示唆された.また心拍出量を連続的にモニターするシステムにも応用できると考えられる.

著者関連情報
© 一般社団法人日本不整脈心電学会
前の記事 次の記事
feedback
Top