心電図
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段階的心臓交感神経電気刺激による左室局所有効不応期の変化
定永 恒明小川 聡楊 志成佐伯 公子三谷 和彦古野 泉佐藤 吉弘加藤 浩嗣中村 芳郎
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1991 年 11 巻 1 号 p. 89-95

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抄録

両側交感神経刺激の刺激条件を変化させた際, 左室局所有効不応期 (ERP) ならびに血行動態諸指標の反応性の変化について検討した.麻酔開胸犬9頭で, 左室前壁心外膜6点にプランジ電極を刺入しS1-S2法によるERP, 同時に血圧, R-R間隔, 左室dP/dTを測定した.交感神経刺激には両側頸部迷走神経幹および星状神経節切断の上, 両側ansae subclaviaeより電気刺激を加えた. (1) 刺激幅4msec, 刺激強度4mAを一定として, 刺激周波数を1, 3, 5Hzと段階的に増加させた場合, (2) 3Hzまたは5Hzで30分間の連続刺激を施行した際の上記諸指標を計測した.結果: (1) 1, 3, 5Hz刺激ともERPは有意に短縮したが, 1Hzに比して3, 5Hz刺激による変化はより大であった. (2) 30分間連続刺激時のERPの短縮率は3Hz刺激では安定していたが, 5Hz刺激時には30分までに刺激効果は低下し, 刺激中止後20分経過しても反応性は完全には回復しなかった. (3) ERPとR-R間隔の変化は相関した.

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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