心電図
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不整脈源性右室異形成17例における心室頻拍の電気生理学的特徴と治療および長期予後に関する検討
清水 渉大江 透栗田 隆志高木 洋相原 直彦鎌倉 史郎松久 茂久雄下村 克朗磯部 文隆小坂井 嘉夫
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1991 年 11 巻 2 号 p. 183-191

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抄録
不整脈源性右室異形成〔Arrhythmogenic right ventricular dysplasia (ARVD) 〕17例の心室頻拍 (VT) の電気生理学的特徴, 治療および長期予後を検討した.23種類の自然発生VTの発生起源は, 右室流入路下壁および前壁が多く (計20種類) , また右脚ブロック型を呈した2種類のVTの一つは左室中部後壁が起源であった.自然発生VTの停止薬としては, クラスI群抗不整脈薬 (特にアジマリン, メキシレチン) が有効であったのに対し, プロプラノロール, ベラパミルは無効であった.長期予後については, 電気生理学的薬効評価が可能であった11例中7例 (64%) で有効な予防薬を認めたが, このうち4例でVTの再発を認めた.しかし最終的に9例は, クラスI群とII群 (βブロッカー) を主とした抗不整脈薬によりVTの予防が可能であり, 死亡例, 心不全症状を呈した例はなかった.内科的治療に抵抗し外科的治療となった残りの8例中7例は, 術後VTのコントロールが可能となり, 内科的治療に抵抗性のVTに対しては, 外科的治療を考慮すべきと考えられた.
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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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