心電図
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特発性心室頻拍の発生機序と臨床像について
石橋 寛飯沼 宏之安喰 恒輔並木 隆雄相良 耕一傅 隆泰加藤 和三
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1992 年 12 巻 3 号 p. 284-291

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抄録
特発性心室頻拍 (IVT) 14例を対象とし, これを持続型 (S群; 10例) , 非持続型 (NS群; 4例) に分けて, 安静時およびVT中の心電図, VTの運動誘発性, プログラム電気刺激誘発性, I・II・IV群抗不整脈薬の有効1生について比較検討した.安静時心電図におけるST-T変化, VT中のQRS波形・QRS幅において両群間に差がみられたが, 運動誘発性はともに乏しかった.電気生理学的検査での電気刺激によるVT誘発性はS群で高率であった.右室早期刺激間隔と誘発された頻拍の第1拍目あるいは自然発作時のVTと同一波形のrepetitive ventricular response (RVR) までの間隔との関係は多くが逆相関を示し, その頻度は両群間に差がなかった.薬剤効果では, Ia・IV群薬が高い有効性を示したが, 両群間に差はみられなかった.両群ともにその成因として主にリエントリーが考えられたが, 一部triggered activityの関与も考えられた.また, S・NS群は異なった臨床像を呈すると考えられた.
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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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