心電図
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一般成人における運動誘発心室期外収縮の頻度と出現様式
川久保 清柳堀 朗子青木 和夫郡司 篤晃野崎 彰大城 雅也井上 博杉本 恒明坂本 静男
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1992 年 12 巻 3 号 p. 320-326

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抄録
外見上健康人における運動誘発心室期外収縮 (PVC) の頻度および出現様式について検討した.第I研究では, 心疾患の既往のない男性246人 (平均年齢43.4歳) , 女性347人 (平均年齢44.5歳) を対象とし, トレッドミル負荷試験時の運動誘発PVCの性状と出現時相について検討した.運動誘発PVCは男性25.2%, 女性24.0%にみられ, 大部分は単形性, 5個未満であった.運動誘発PVC例の62%は, 負荷終了直前, 直後の心拍数の高い時相でみられ, 右脚ブロック波形や多形性は68%であった.第II研究では, 運動誘発PVC例25人について, ホルター心電図との比較を行った.運動負荷時高い心拍数でPVCのみられた例では, ホルター記録時のPVCの数は少なく, 2連発も少なかった.運動負荷時低い心拍数でPVCのみられた例では, ホルター記録時にはPVCの数が多かった.外見上健康人の運動誘発PVCは, 運動負荷時の出現時相から誘因が異なるものがあると思われた.
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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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