抄録
異型狭心症発作前の自律神経活動をRR間隔周波数解析を用いて検討した.無投薬下のホルター心電図にて睡眠中にST上昇発作が捉えられた異型狭心症6例, 16発作を対象とした.発作前のRR時系列データを発作30分前より30秒ことに256心拍選び出し, 最大エントロピー法によりスペクトル解析を行った.副交感神経を反映する高周波数成分 (HF: 0.20~0.40Hz) と主に交感神経を反映する低周波数成分 (LF=0.05~0.15Hz) に分離し, パワースペクトル密度を求めた.その結果, 発作前にHFの増大に続きLFの増大する発作を9回, HFのみが増大する発作を5回, LFのみが増大する発作を2回認めた.複数の発作を捉えた5例中4例では, 発作間で異なる自律神経変動を認めた.RR間隔の周波数解析により, 異型狭心症発作ならびに同一例での発作において, 発作に先行する副交感神経に続く交感神経緊張を示す例が多いが, 種々の自律神経変動が出現することが示された.