心電図
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先天性QT延長症候群におけるアセチルコリンの冠動脈内注入によるQT時間の延長
鷲塚 隆相沢 義房五十嵐 裕松原 琢池主 雅臣樋口 幸太郎広野 暁北沢 仁内山 博英内藤 直木田村 雄助山添 優柴田 昭
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1994 年 14 巻 3 号 p. 169-176

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抄録

アセチルコリンの冠動脈内注入で著明なQT時間の延長を認め, うち1例ではtorsades de pointes (Tdp) が誘発された2例のRomano-Ward症候群を経験した.症例は失神歴を有する75歳女性と16歳男性で, 心電図上それぞれ0.52秒, 0.54秒とQT時間は延長しており, いずれも家族内にQT延長例を認めた.イソプロテレノール負荷, 運動負荷中のQT時間の延長を認めず, 電気生理学的検査でも心室性不整脈は誘発されなかった.75歳の女性例で失神の精査を目的に冠攣縮誘発試験を施行したところ, 左冠動脈へのアセチルコリン100gによりQT時間は0.73秒まで延長し, Tdpが出現した.他の症例でもQT時間は0.50秒から0.62秒にまで延長した.一方, 冠攣縮の誘発を目的としたQT時間の正常群10例では, このようなQT時間の延長は認められず興味ある症例と考えられたので報告する.

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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