心電図
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運動誘発心室頻拍症例における心拍変動の検討
佐藤 伸之川村 祐一郎木戸 伸介井門 明川嶋 栄司石井 良直山下 裕久菊池 健次郎棚沢 哲高橋 光一加藤 淳一
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1994 年 14 巻 6 号 p. 570-577

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抄録
運動負荷中に心室頻拍 (VT) もしくは心室細動 (Vf) が見られた症例における自律神経機能を, ホルタ―心電図上の心拍変動の面から検討した.対象は運動負荷にてVTまたはVfがみられた22例 (虚血性心疾患 (IHD) 7例, 特発性心室頻拍 (Idio VT) 6例, 心臓弁膜症 (VHD) 5例, 拡張型心筋症 (DCM) 4例) と運動負荷でVTが誘発されなかった心疾患群19例 (IHD10例, DCM9例) , 及び健常対照群10例で, 薬剤無投与下のホルター心電図における心拍変動指標を求めた.VTまたはVfが誘発されたIHD及びDCM群では全ての非スペクトル解析指標及びパワースペクトル解析上の低周波, 高周波成分が対照群に比し有意に低下していた.一方, VHD, Idio VT症例の非スペクトル, パワースペクトル解析指標は低下していなかった.以上より, IHD及びDCM群の運動誘発心室頻拍に自律神経障害が関与している可能性が示唆され, 心拍変動は心疾患患者のfollow upの上で重要な指標こなるものと考えられた.
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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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