心電図
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ジギタリス誘発性心室性不整脈に対するMgSO4の効果
谷口 泰飯沼 宏之関口 昭子加藤 和三
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1995 年 15 巻 3 号 p. 227-234

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抄録

ジギタリス誘発性心室性不整脈に対するMgSO4 (Mg) の効果を生体心にて検討した.方法: 麻酔犬17頭にウアバイン投与後, 刺激間隔 (SI) 200~300msecの連続心室刺激を加えrepetitive ventricular response (RVR) を誘発, RVRのfirst postpacing interval (FPI: 刺激最終拍~RVR1拍目間隔) を測定, FPI-SI関係, およびMg30mg/kg静注後のFPIを検討した.FPIの再現性, 安定性確認のためFPIの2回連続計測, 15, 30分後の計測を行なった.19頭でウアバイン大量投与による自発性持続型心室頻拍に対するMgの停止効果を検討した.結果: FPI-SIは正相関し, FPIの再現性, 安定性は良好だった.MgはFPI (SI=220msec) を359±28msecから378±36msecへ有意に延長した.Mgの心室頻拍に対する効果は, 停止3例16%, arrhythmia ratioの低下3例16%であった.総括: Mgは生体心にてジギタリス誘発性心室性不整脈に抑制的に作用した.

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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