心電図
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心筋梗塞患者の致死性不整脈事故発生に対する加算平均心電図の意義 (A prospective study)
中山 雅裕江波戸 美緒真島 三郎
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1996 年 16 巻 6 号 p. 746-752

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抄録

加算平均心電図 (SAE) の心筋梗塞 (Ml) 後の致死性不整脈・突然死の予知に対する意義をprospectiveに検討した.1986年2月~1990年1月に急性心筋梗塞にて本院に入院した連続186例のうちSAEを記録, 分析可能であった130例について追跡調査した.平均追跡期間は4.7±2.4年間である.持続性心室頻拍・心室細動および突然死を不整脈事故と定義しその発生を調査したところ, 不整脈事故は発生は異常SAE群26例中6例 (23%) , また正常SAE群で104例中2例 (2%) と異常SAE群で有意に高率であった (P<0.01) .異常SAEの有無は左室駆出率とともに不整脈事故発生に独立して有意な予知指標であった.初回不整脈事故はすべて心筋梗塞後3年以内に生じ, その多くが2カ月以内の持続性心室頻拍であった.今後より多数の連続症例を対象とした他施設検討が望まれる.

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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