抄録
雄Sprague-Dawley ratの左冠動脈の結紮再灌流不整脈モデルを用いてischemic preconditioning (IP) の抗不整脈効果, 機序について検討した.3分間, 1回の心筋虚血によるIPによりその後の冠結紮不整脈および再灌流不整脈は抑制された.また, 冠結紮不整脈と再灌流不整脈に対するIPの抑制効果の態度は異なっていた.冠結紮不整脈に対するIPの抗不整脈作用は再灌流時間が1分で認められ, 再灌流時間を20分, 30分と延長するにしたがい減弱した.再灌流不整脈に対するIPの抗不整脈作用は1分の再灌流後にも認められたが, 再灌流時間を10分に延長するとさらに増強して, 再灌流時間30分後にも効果は減弱しなかった.さらに, 冠結紮不整脈に対するIPの抗不整脈作用はaspirinの投与により消失し, その作用機序にprostaglandinsの関与が考えられたが, 再灌流不整脈に対するIPの抗不整脈作用機序にprostaglandinsは関与していないと考えられた.