心電図
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心房筋細胞のK+電流と抗不整脈薬
中谷 晴昭大本 由樹渡邊 泰秀原 幸男小林 智森 勝巳小倉 武彦植村 展子玉川 正次坂下 育美坂本 直哉滝沢 太一斉藤 俊弘増田 善昭
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1998 年 18 巻 3 号 p. 324-332

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抄録
心房細動の薬物療法は主に不応期の延長を目的として行われ, その1つの方策はK+チャネル遮断によって活動電位幅を延長させることである.心房筋細胞の活動電位再分極には多くの種類のK+電流が関与するが, 抗不整脈薬が作用する主なものはアセチルコリン感受性K+電流 (IK.ACh) と遅延整流K+電流 (IK) である.多くの抗不整脈薬がIK.AChを抑制し, ムスカリン受容体遮断を介して間接的に抑制するものがdisopyramide, pirmenol, sotalol等であり, K+チャネルあるいはG蛋白に直接的に作用し抑制するものはamiodarone, bepridil等である.このIK.ACh抑制作用は副交感神経依存型の心房細動の予防, 治療に有効と考えられる.また, IKは, 非常に速い活性化過程を示すIKur, 速い活性化過程を示すIKr, 緩徐に活性化するIKsという3つの成分からなるが, 新III群抗不の整脈薬を含めてIKrを抑制する薬物が多く, 一部はIKsあるいはIKurを抑制する薬物もある.今後, 心房細動による電気的リモデリングによってどのようなK+チャネルが変化するかが明らかとなり, より効果的なK+チャネル遮断による心房細動治療法の確立が望まれる.
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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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