心電図
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洞機能不全症候群で永久ペースメーカー植え込み後約8年の経過で体表心電図上ペーシングスパイク-P波間隔の延長を伴い心房停止に至った1例
橋本 賢一梶田 潤一郎渡辺 一郎中山 麻里押川 直廣小島 利明近藤 一彦谷川 直斎藤 穎小沢 友紀雄上松瀬 勝男
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1999 年 19 巻 1 号 p. 42-46

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抄録
症例は86歳女性.昭和63年めまい, 胸部圧迫感を主訴に来院し洞不全症候群の診断にて永久ペースメーカー (AAlモード) 植え込みを行っている.その後, 外来通院にて経時的に体表心電図上ペーシングスパイクーP波間隔が次第に延長を認めたが自覚症状は特になく, またペースメーカーチェックの際もセンシング, ペーシングには問題はなかった.平成9年4月めまいを主訴に当院を受診し, 心電図上ペーシング不全のため入院となった.電気生理学的検査により, 部分的心房停止と診断し心室にペーシングリードを力口えDDDモードに変更した.洞不全症候群から心房停止への進展の報告は今までにもなされているが, 心房ペーシングを行っている症例では非常にまれであり体表心電図の経過を追うことができた症例は調べ得た限りではなかった.体表心電図におけるペーシングスパイク-P波間隔の延長は心房停止となった範囲の広がりを反映していると考えた.
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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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