心電図
Online ISSN : 1884-2437
Print ISSN : 0285-1660
ISSN-L : 0285-1660
潜在性副伝導路に対する高周波カテーテル焼灼術施行後にデルタ波が出現した2症例
渡部 弘美渡辺 一郎中井 俊子近藤 一彦柳川 新小島 利明國本 聡高橋 義和斎藤 穎小沢 友紀雄上松瀬 勝男
著者情報
ジャーナル フリー

1999 年 19 巻 1 号 p. 47-52

詳細
抄録
潜在性房室副伝導路 (AP) に対する高周波力テーテル焼灼術 (RFCA) 後, デルタ波が―過性に出現した潜在性WPW症候群の2症例を報告する.症例1: 左側潜在性APに対して, 経大動脈的に僧帽弁下でRFOAを施行した.離断は得られなかったが, 房室回帰性頻拍は十数秒で自然停止するため, 経過観察とした.術後3ヵ月のHolter心電図にて一過性にデルタ波が認められ, その後上室性頻拍の再発が認められた.症例2: 左側潜在性APに対し, 経大動脈的に僧帽弁輪下でRFOAを施行し, 離断に成功したが, 1カ月後に上室性頻拍が再発し, 心電図でデルタ波が一過性に出現した.再度, 経心房中隔的に僧帽弁輪上でRFOAが行われた後に, 再発は認めていない.潜在性APの心室側付着部位に対するRFOA後, 房室副伝導路の順行性伝導が出現した機序として, impedanoe mismatchが修飾されたものと考えられた.
著者関連情報
© 一般社団法人日本不整脈心電学会
前の記事 次の記事
feedback
Top