心電図
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自律神経活動の概日リズムよりみた拡張型心筋症の検討
斎藤 靖浩
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1999 年 19 巻 6 号 p. 694-700

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抄録
拡張型心筋症 (DCM) 患者のボルター心電図記録から心拍変動解析を行った, 得られたLF・HFにMem Calcシステムを用いた最小2乗フィツティングを行い, 周期, 振幅, 頂点位相, 水準値の日内変動指標を求め, 病態との関連を評価した, 結果: (1) DCMでは, 健常対照群に比しHF・LFの24±4時間周期の消失例や頂点位相の異常を示す例が有意に多かった, (2) DCMでは, 対照群に比しHF・LFの水準値が有意に低く, HFの振幅が有意に小であった. (3) 多変量解析によるVTの有無の検討で, HFの頂点位相の昼間帯移行に関連があった. (4) DCMの死亡群は, 生存群に比しLFの水準値は有意に低かった.Coxの比例ハッザード回帰による心臓死に対する予後予測で, LFのrhythm異常が有意に心臓死と関連があった.以上よりLF・HFの日内変動指標が, DCMのVT発生や予後予測の指標となる可能性が考えられた.
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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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