心電図
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頻発する心室期外収縮および非持続性心室頻拍によるtachycardia-induced cardiomyopathyと考えられた1症例
中井 俊子渡辺 一郎小牧 宏一高橋 義和近藤 一彦小島 利明國本 聡渡部 弘美梶田 潤一郎柳川 新斎藤 頴小沢 友紀雄上松 瀬勝男
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1999 年 19 巻 6 号 p. 701-706

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抄録
長期間持続する頻脈に基づく左心機能障害がtachycardia-induced cardiomyopathyとして近年注目されている.本疾患の原因となる不整脈として報告されているものはほとんどが慢性, あるいは繰り返す上室性不整脈である.今回著者らは左心室収縮能が著しく低下し拡張型心筋症と診断され, 頻発する心室期外収縮 (PVC) および非持続性心室頻拍 (NSVT) を有する症例に対してアミオダロンの投与を行い, 不整脈数が著明に減少すると同時に左心室収縮能が著明に改善した1症例を経験した.症例は53歳の男性で約15年前より, 拡張型心筋症, PVC, NSVTと診断され心エコー上, 壁運動は全周性に低下していた.頻発するPVC, NSVTに対し, Ia群およびIb群抗不整脈薬を投与したが無効であったため, アミオダロンを使用したところ不整脈数が減少するとともに, 心機能も著明に改善した.
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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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