心電図
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T wave alternans中の心室内不応期分布の変動とその不整脈源性
池主 雅臣田川 実笠井 英裕鷲塚 隆保坂 幸男古嶋 博司相澤 義房
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2001 年 21 巻 2 号 p. 141-148

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抄録
体表面心電図で観察されるT波交代現象 (TWA) と心室貫壁性の再分極分布の関係, およびTWAの不整脈源性についてQT延長症候群 (LQTS) の実験モデル (Anthopleurin-Aを用いたLQT3モデル) を用いて検討した.多極針電極を用いて, 左心室心内膜側 (End) , 心筋中層M細胞領域 (Mid) , 心外膜側 (Epi) の局所電位を体表面心電図とともに記録した.局所の不応期はactivation-recovery interval (ARI) を用いて評価した.TWAが軽度の場合, MidのARIはQT間隔の長い心拍と短い心拍の両方でEpi/Endよりも長く, 貫壁性のARI-dispersion (ARI-D) はQT間隔の長い心拍でより大きくなった.TWAが大きくなると, QT間隔の短い心拍でMidのARIはEpi/Endよりも短くなり, 貫壁性の再分極勾配の逆転が生じた.TWAがさらに大きくなると, QT間隔の長い心拍でのMid/EndのARIの著明な延長により, 引き続くQT間隔の短い心拍の興奮伝搬が伝導プロックまたは伝導遅延を生じた, この変化は体表面心電図のQRS波形および体血圧の交代現象としても認められた.このような局所での伝導障害はtorsade de pointesの発症に直接関与した.本モデルのTWAはメキシレチンの静注で完全に消失した.冠動脈閉塞による急性虚血モデルでもTWAがみられたが, この場合はARIともにST部分の交代現象を伴っていた.〔結論〕TWAは心内の時間・空間的な再分極分布の不均一性亢進を反映し, 局所伝導障害によってリエントリー性心室性不整脈の発症に関与した.
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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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