抄録
ヒトの心臓にはL型およびT型という2種類の電位依存性Ca2+チャネルが存在している.このうち, T型Ca2+チャネルは主として刺激伝導系細胞に分布しており, ペースメーカー細胞の脱分極に関与していると考えられている, 1998年にCribbsらは, ヒト心臓由来のT型Ca2+チャネルα1サブユニットのcDNAをクローニングすることに成功した, そのヒト型α1サブユニット蛋白をhuman embryonic kidney (HEK) -293細胞に発現させて, 細胞全膜電流を記録した.この電流はnative T型Ca2+チャネルの特徴を呈し, T型Ca2+チャネルに選択的なCa2+拮抗薬であるmibefradilによって抑制された.50%抑制濃度 (IC50) は0.89μMであった.さらに, mibefradilによるT型Ca2+チャネル電流抑制の機序が活性化曲線および定常状態不活性化曲線を過分極方向へ偏位させることによるものであることが判明した.