心電図
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Brugada型心電図所見を呈する例を把握するための心電図ファイリングシステムの活用とその意義
相澤 義泰出雲 和秀齋藤 幹熊谷 賢太岡崎 修樫田 光夫赤塚 宣治矢崎 義雄
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2002 年 22 巻 1 号 p. 25-30

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抄録
Brugada症候群は突然死のハイリスク群とされ注目されるが, 実態は不明点が多い.今回, 当院の心電図ファイリングシステムを利用し心電図36, 248件を解析した, コンピュータにて, V1でRSRI型, 不完全右脚プロツクまたは完全右脚プロツクと診断された例を抽出し, Brugada症候群の心電図学的所見である, 右脚ブロック, V1かつV2誘導のST上昇, 正常QTc時間を満たす例を抽出した.心電図所見より明らかな梗塞, QT延長を伴うものは除外したところ, 計489件 (全体の13%) となった.このうち, 典型的なBrugada型波形と考えられたものは33件 (0.09%) , この33例に死亡例はなく, 失神の既往は3例 (9%) , 突然死の家族歴は2例 (6%) でみられた.この心電図異常の頻度は過去の報告とほぼ一致しており, 心電図ファイリングシステムを用いれば比較的容易に本症に合致する例が把握できると考えられる.
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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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