心電図
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難治性発作性心房細動患者を対象とした電話伝送心電図による無症候性と症候性心房細動発作の評価
托哈依 加孜那小沢 友紀雄笠巻 祐二柳川 新渡辺 一郎斎藤 穎上松瀬 勝男竹沢 善行
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2002 年 22 巻 3 号 p. 182-190

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抄録

本研究は在宅における心電図と血圧の電話伝送システムによる, 無症候性の発作性心房細動 (Paf) の評価, 症候性Paf発作の好発時間帯, Paf発作中の血圧と心拍数の検討および本システムの有用性を明らかにすることを目的とした.対象は難治性Paf治療中の患者10名 (男/女=9/1, 平均年齢59±10.3歳, 抗不整脈薬平均使用数5.2±2.0種) で, 平均20.2±7, 13週の調査期間で合計727回の心電図が検討された.定期的な記録におけるPaf発作は97回認められ, 無症候性が56回 (57.7%) , 症候性が41回 (42.3%) であった.一方, 症状のあったときの記録における検討で, 症候性Pafは100回 (52.9%) に認められ, その好発時間帯は朝57.0%, 夕~夜29.0%, 昼7.0%の順であった.Paf発作中は無症候性に対して症候性では心拍数が大であったが, 血圧には差がなかった.本システムは難治性Paf患者を対象とした在宅中の病態の把握に有用であった.

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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